2010年6月26日土曜日

回想アート作品紹介no.1

解説文/アートが持っている要素として「記憶」や「回想」という世界は不可思議な想像力を持っている。
○降旗芳美さんの「引き出し」は、彼女自身の故郷(長野)がテーマとなって展開される。故郷の山河や空の景色。発表された場所は名古屋。都会と田舎というテーマも浮かび上がって来る。故郷論は昔からの古典的なテーマであるが、降旗さんの中では軽快な動きのある回想的な風景に変わって行く。
○杉浦由子さんの作品は昨年、豊川市桜ヶ丘ミュージアムで開催された「境界なきアート展」へ出品された回想法アートとしての作品。「宮本さんと鉄道の夢」国鉄時代に運転手をしていた宮本さんが南海地震での体験を語り、鉄道に熱い思いを語る。それを取材し杉浦さんに作品化して頂いた。
○平松絵美さんの「おばあちゃん」も同じく取材を元に制作された。大正生まれのおばあちゃんの人生を作品化して行く。似顔絵を描くことは老年期の喪失体験を促す効果がある。まず自己像の喪失、身体的・精神的な老いという喪失感、仕事などの喪失感など、多くの事柄がつい最近の事のように思い出す事が出来る。昨年のこの企画展では老人ホームで似顔絵とミュージアムボックス(個人美術館)を作ることを行った。
※作品の投稿を歓迎します。

2010年6月23日水曜日

「痴呆を生きるということ」

20年 以上痴呆老人のケア・治療に携わってきた小澤勲さんの「痴呆を生きる」は現実的な問題として老人に捉わる家族や支援者に意識改革を促す本であった。もとよ り「痴呆」と言う言葉が「認知」という言葉に変化した経緯に疑問を感じる。2004年に厚労省が「痴呆」を「認知症」に言い替えるよう通達を出した。「痴呆」という言葉が侮蔑 的な言葉という批判は依然からあった。コンサルによれば新しい坑痴呆薬の販売不振の原因として家族が「痴呆」という言葉に抵抗感をもっているためとして用 語の変更を研究者や行政に呼びかけたと聞く。厚労省の中に言葉の検討会は製薬会社と広告代理店による要望から設立され「認知症」という言葉が生まれた。最 近は「障害」も「障がい」と平仮名に直したりする。これは表現の問題かも知れないが差別と偏見の陰湿な現実が表現の問題としても何も乗り越えられていない 現実を表している。